人類の誕生とともに始まったといわれるほど長い歴史を持つ「化粧」。それは人間の美的本能を満たすものとして、また性差や、身分・階層などの社会的地位、集団への帰属、年齢などを表す社会的行為として、常にいろいろな目的が絡みあいながら、脈々と行われてきました。まさに人間の文化として築かれてきたのです。
今日では身だしなみのひとつと考えられるようになった化粧。それは女性の社会参加が進むにつれて、相手に快い感じを与えるために不可欠なものとされるようにもなり、さらには自然美・個性美を発揮することが使命となってきました。化粧や、それに伴うお洒落は、社会と密接に関わり合いながら人と自分の心をつなぐ、深い意味を持った営為なのだといえましょう。